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デレマス、シャニマスにおけるソロ曲の分類

 

背景

アイマスにおいてソロ曲はアイドルの解釈への大きな一側面を担っています
とくにデレマスはそのアイドルの多さから、シャニマスは元来ユニット曲しか存在しなかったことから、アイドルへのソロ曲の実装は大きなイベントです
基本的にデレマスとシャニマスのソロ曲はアイドル一人あたり1-2曲しか存在しないため、自分の好みと合致する曲が制作されるかどうかは祈ることしかできません
ときには想像と違う方向性でがっかりすることもあります
さてここで、その曲は本当に私たちに向けて作られた曲でしょうか
この答えは曲を制作してくださった方々にしか分かりませんが、私は「YESでもありNOでもある」と考えます
これが主題における「分類」です

 

問題点

今回提示する問題点は「楽曲を制作する方によって視点は違うのに『アイマスソロ曲』として一緒くたにされている」ことです
顕著なときは「〇〇 (アイドル名)のソロ曲」として同一視されます

アイマスを楽しむ側の視点

アイマスという作品において、私たちは複数の立場からアイドルの応援を楽しむことができます
例えば「プロデューサー」、「ファン」などです
人によってはここに「親」、「彼氏」などを挙げる人もいるかも知れませんし、これらを複合した立場も考えられます
しかしながら、現実世界でアイマスを楽しんでいる私たち (プレイヤー)に最も近い視点は「神の視点」です
その根拠としてはゲーム中でアイドルが一人でいる時間が描写されていることです
そこで起こったことはプロデューサーやファンでは知り得ず、第三者ではプレイヤーのみ知ることができます
ここで、情報格差が生じます
描写されたすべてを知る「プレイヤー」は、「プロデューサー」や場合によってはアイドルとしての顔しか知らない「ファン」としてアイドルを応援するのです
一体どうしてこのようなややこしい構造のプレイヤーに一貫した視点で曲が提供できるでしょうか

 

具体例 黛 冬優子『SOS』

シャニマスはとくにストレイライトあたりからこの情報格差の構造をキャラクターに反映させています
黛冬優子の実装の際はHP上の情報が「ファンが見るアイドル黛冬優子」から「プロデューサーが見る黛冬優子」へと変わる演出で話題になりました
いわゆる腹黒や二面性です
では冬優子のソロ曲『SOS』は「プレイヤー」、「プロデューサー」、「ファン」誰に歌っているものでしょうか
より正確に問うと、「楽曲を制作した方々」は冬優子が「誰」に歌うことを想定して曲を制作したのでしょうか
ぼくは「ファン」だと思います
したがって『SOS』は「黛冬優子」が「ファン」に向けて歌う曲として作られ、それを想像して「プレイヤー」が喜ぶという構造だと考えられます
また曲を制作する際にはアイマスではライブでの披露が想定されます
『SOS』をライブで披露する際には観客 (プレイヤー)は「ファン」です
これによって「『黛冬優子』が『ファン』に向けて歌う」状況が再現されることが狙いだと考えられます
ぼくは「ファン」向けだと考えていますが、Pラブ勢は「プロデューサー」向けだと考えるでしょう
そこは自由だと思います

 

「プレイヤー」向けのソロ曲

「プレイヤー」向けのソロ曲に要求される属性は何でしょうか
アイドルがアイドルとして活動する際、少なからずペルソナを被ります
これは素の弱さや本音を隠すことと同義であり、ストレイライトなどに限ったことではありません
「『プレイヤー』向けのソロ曲」はこのペルソナを剥いだ状態を描いた曲だと考えられます
このような曲はアイドルの新しい一面を知るための情報が非常に多く、歌詞を読む価値が大きいと思います
もちろん作詞者の解釈によって書かれた歌詞ですが、公式によって許可され表に出された情報でもあります
一方で、それをライブで披露して最大のポテンシャルを発揮するのは困難です
そもそも観客に向けて歌うことが前提でなく、そのアイドルが歌うことに違和感を覚えることもあると思います
ですがその違和感も対象が「プロデューサー」や「ファン」でないことを前提とすると和らぐのではないでしょうか
既存の概念では、アイドルを紹介する「イメージソング」としての役割を持つとも言えるでしょう

 

まとめ

アイマスというコンテンツはプレイヤーを第一としつつも、アイドルがゲーム内のファンを楽しませるという構造があり、それらしい楽曲を制作するのは非常に困難だと思います
とくにソロ曲は一人あたり1-2曲という限られた数であるため、とくに最近のソロ曲はアイドルのイメージソングとしての役割が大きくなっているように思われます
ときどきソロ曲製作者による制作背景を読みますが、ほとんどの人がアイドルの魅力をどうやればより正確に届けられるかというようなことを考えられています
ぼくはオタクなので歌詞の深読みが好きですが、とくにそこに答えがあるように錯覚させてくれる歌詞がとても好きです
ソロ曲の制作には感謝しつつ、自分の考えとニュアンスが違うなという曲も今まであったので、そのずれをどうにか説明してみました
これを書いてそのような曲を聴いたとき、少しでも好きな曲が増えていると嬉しいです