3月は暇でした。暇なのでやるべきことよりもやりたいことを優先したのですが、時間は無限でも気力は有限であり、だらだらと漫画を読む時間が増えました。特にジャンプ+をはじめとする漫画アプリが原因です。無料であれだけの漫画が読めるのは素晴らしく、少し手を伸ばせば掘り出し物も多いです。元々僕は最近週刊少年ジャンプを買っていて、好みもジャンプに寄ってきていたので、ジャンプ+は特に面白いと思える漫画が多かったです。無料公開期間が終わったものもありますが、いくつか紹介します。
① 嘘喰い
いわずと知れた名作です。映画公開記念で無料公開されていました。原作者のツイートが不穏で映画は見に行ってないですが、ネット配信されたら観てみたいです。
嘘喰いは「賭け事」を主題にしたギャンブル漫画です。嘘喰いは主人公の別名でもあり、世の中の賭け事を取り仕切る組織である「賭郎」のトップになるためにギャンブルを続けています。
この作品の面白い点は、ギャンブルがメインな作品にもかかわらずバトルシーンが多いことです。『嘘喰い』におけるギャンブルは「知」と「暴」によって構成されています。主人公の嘘食いは知100:暴0のようなキャラクターのため、相手が暴力に出れば絶対に勝てません。知と暴を兼ね備えた相手に対し、嘘喰いがどう立ち回るのか、という部分が本作の見所です。
かなり綺麗かつ程よい冊数で完結しているため、将来的に全巻購入も視野に入っている作品です。ヤンジャンアプリでも結構読めたと思うので、是非読んでみてください。
➁ ブルーピリオド
インテリヤンキーが絵をかく楽しさに目覚める話(1/15) pic.twitter.com/H6WZUTd4Hi
— 山口つばさ (@28_3) 2019年6月28日
最近アニメ化もされたので知っている人も多いと思います。確かコミックDAYSで読めたのですが、あまりにも面白かった上にまだ刊行冊数も少なかったので全巻購入しました。
校内にタバコを持ち込むような不良高校生の主人公が、絵を描く楽しさを知って東京藝術大学進学を目指す物語です。テーマとして「表現の怖さ」が取り上げられており、現在進行形でコミュニケーションに対する思想に広がっています。「そういう話」が好きな上に主人公も珍しいタイプで好きです。
個人的にここまでハマるとは思っていなかった作品で、ブルーピリオドが完結した世界に生まれたかったと思います。僕がハマった原因には少なからず絵を描き始めたことが影響していると思いますが、そんな大層な視点から読んでいるつもりもないため、絵に興味がない人でも楽しんで読めると思います。
③ 片喰と黄金
大飢饉により身寄りもなく貧困、しかし明るい少女が、カリフォルニアで起きているフォールドラッシュを目指して西進する、アメリカ版ゴールデンカムイです。ゴールデンカムイはゴールデンカムイでとても面白い作品でした。読んでください。
アメリカ版ゴールデンカムイとは言いつつも、作品の持つ雰囲気はかなり違います。ゴールデンカムイは大きくギャグに振れれば大きくシリアスに振れる印象だったのに対して、片喰と黄金は常にシリアスが根底にあり、ギャグとシリアスが表裏一体のように感じます。主人公のアメリアは少女ながらもとても強い意志を持っており、それはアイルランド飢饉で多くの身内を失ったことから来ています。ゴールドラッシュとは言うものの、「一攫千金」と言うよりは生き残るための最後の賭けに近く、常に死と隣り合わせの中で進行するストーリーになっています。
この作品は連載途中で出版社が変更したらしく、今度講談社から新しく単行本が出るようです。僕は集英社版を最新刊まで買ってしまいました。コミックDAYSでも連載が読めるのですが、現状は単行本で追っています。最初の数話で雰囲気とキャラクターの良さが伝わると思います。続きも無料で読めそうなので是非読んでください。
④ 2.5次元の誘惑
エロコメです。エロコメ読んだことない人間だったのですが、周りの評判が良かったので読んだら面白かったです。ヒロインはコスプレが趣味。コミケで売るような同人ROMを作るのが夢なのですが、そのための協力者探しとして主人公一人が所属する漫画研究会を訪れます。
特徴として、三人目のヒロインが出るあたりから作品の方向性がガラリと変わります。序盤は意味のないようなラッキースケベが多かったのですが、方向性が変わってからはほとんど出なくなり、代わりに物語の面白さが加速度的に加わります。コスプレという趣味がかなりフラットな視点で描かれており、貶すわけでも讃えるわけでもなく表現方法の一つとして徹底されているように感じます。
僕自身コスプレに対する印象は是でも非でもないのですが、コスプレイヤーのこだわりや特有な苦労の説明もあり、(描写の正しさは置いておいて)コスプレへの理解が深まります。あと絵が可愛いです。
また物語の都合上、主人公が恋愛に積極的ではないのですが、最近の展開ではそこが深堀されており、コスプレをしても漫画のキャラクターではないこと、コスプレをしているヒロインも一人の人間であること、それにタイトルの「2.5次元」が丁寧に拾われています。僕は普段ラブコメ、エロコメを読まないのですが、それらに対する認識が変わりました。読む方は是非3,4巻を目安に読んでみてください。
⑤ かぐや様は告らせたい
『2.5次元の誘惑』を読みラブコメへの偏見を懺悔した僕は、一度勧められて挫折した『かぐや様』を再び読み――?
言わずと知れた人気作。今さら僕が勧める必要はないと思いますが、くだらないのに面白いです。正直、四宮と白銀だけだとワンパターンになりがちな設定だと思うのですが、藤原書記が四宮にとっても読者にとっても予測不能存在で一番面白い要素だと感じます。
また学園ものには珍しいと思うのですが、登場人物の追加ペースが異様に遅いです。先ほども言ったようにこの漫画は「相手に告白させる」という一点で成り立っているため、普通にやると対象を変えただけの繰り返しになると思います。そこで藤原書記や石上会計などの不確定要素が面白いと思うのですが、この漫画はじわじわとしか登場人物が増えません。そうした新鮮味のなさが、初見で断念した理由でしょう。
しかし、ある程度読んで振り返ると、結構ワンパターンなのに面白かったです。所々に作者の頭の良さを感じ、過去や家族関係の掘り下げもあるので物語としても面白いです。早坂愛が本格的に出るあたりからマンネリ感もなくなってくるので、読む人は読み続ければ続けるほど面白いのだと思います (とはいえ僕もアニメ2期までくらいしか読んでないです)。現在(2022.4.4)、絶賛ジャンプ+アプリで無料公開中です。
⑥ HUNTER×HUNTER
すごく今さら感のある紹介。こちらも絶賛ジャンプ+アプリで無料公開中です。
僕は何度かハンターハンターを読んでおり、一度目はアニメでヨークシンシティ編まで、二度目は漫画でキメラアント編のみ、三度目は今グリードアイランド編を読んでいます。
読むたびに思うのですが、やはりネットで話題になる漫画は面白いです。僕の中のハンターハンターの印象はかなり神格化されており、よくある「作家のバイブルだが、聖典は今読んでも面白くない」パターンだと思ってしまいがちです。しかし、実際はそんなことなく意外と俗っぽいです。ゆえに読者が読んでも面白いです。僕の想定する少年漫画の一番面白いやつ、みたいなのが読めるので単行本持っていないのが自分でも不思議に感じます。
ちなみに無料公開はグリードアイランド編の最後まで行くことなく終わるみたいなので、たぶん単行本全巻買うと思います。対戦ありがとうございました。
まとめ
いくつか漫画を紹介しましたが、実際は「④ 2.5次元の誘惑」を紹介したいだけのブログだったりします。でも前半は普通にエロなので人に勧めにくいし、昔誰かに勧められて断った気もするのでここで供養しました。
現在連載継続中の作品も多いので、一緒に最新話を待って終わるだけの一週間を過ごしましょう。では。